明けましておめでとうございます。
2017/01/04 本日より業務をスタートします。
今年もより一層、業務に励んでまいりたいと思いますので、今年も宜しくお願い致します。
(有) 砂田義肢製作所 代表取締役 砂田 宏典
明けましておめでとうございます。
2017/01/04 本日より業務をスタートします。
今年もより一層、業務に励んでまいりたいと思いますので、今年も宜しくお願い致します。
(有) 砂田義肢製作所 代表取締役 砂田 宏典
義肢製造担当の平安です。
砂田義肢ホームページの検索項目で義足についての「あれやこれ」の中でよくある内容として、今回は義足の適合編です。
ちなみに僕も下腿義足を使用しているものとして、悩まされるのが、不適合により傷ができてしまうこと。ユーザーさんから「義足が当たって痛い」との表現をよく聞きます。骨とソケットが接触することにより傷になることがあり、それらの多くは、断端が細くなることによって断端がソケット内に落ち込み、骨に過剰な圧が加わることで傷になります。これらの対処法として、断端袋なる専用のソックスがありますので、それらを履くことで、定位置に断端をソケット内に収める形です。
自身の物になるので使用感がありますが、厚みが3種類あります。これらを重ねて履くことで不適合を起こしてしまっている要因を解消します。切断肢は日によってサイズが変わるので、その日ごとで厚さを調整します。場合によっては、朝は断端袋を履かなくても良いが、午後になるにつれて、枚数を重ねていく人もいました。その方は最終的には、夕方頃には5枚重ねてちょうど良いくらいという感じでした。
ただ、重ねて履くことで痩せた分を補うように見えても、デメリットとして断端長の変化も出てきてしまうので、3枚を限度とした方が良いです。写真にもあるように緑色の線が多いほど厚みがあります。2本線のもですと2枚重ねて履くのが限界かと思います。そこまでゆるくなってしまった場合は、修理申請を行いソケットの修理製作をお勧めします。
最近傷ができたので、僕もソケットを新しく作り変えなければなりません。
右足になります。白くなっている2カ所が傷になっている所で、腓骨と呼ばれる骨の箇所に傷があります。先ほどの断端袋で対処できるのであれば問題ありませんが、解消できない場合は、ソケットにヒートガンの熱を加えて、ソケットの当たる部分を広げる処置が必要になります。この場合は個人でやるよりかは、義肢製作所にて調整してもらう方が良いです。それでも改善がなければ、やはり完全に不適合が生じているので、ソケットの作り直しが良いので、修理申請が必要になってきます。
内科疾患(糖尿病等)をお持ちの方は傷になる前に、お近くの義肢製作所へご相談してください。私どもの方でも、『傷になってしまいそうと思ったら、早めに電話してください』と、ユーザー様に常々お伝えしております。傷が出来てからでは遅いので似たような経験をお持ちの方は無理をせず早めの対処をしていただいた方が宜しいかと思います。
全国の義足ユーザー様の疑問解消になるような内容をまた掲載していきたいと思います。
義肢製造担当の平安です
今回は砂田義肢ホームページの検索項目で義足について幾つか気になる内容があったので、それを踏まえてお話ししたいと思います。
まずは、義足には2つの種類があります。
まずは殻構造義足
木をメインに組み上げるタイプで、完成させるとアライメントや高さ調整ができなくなってしまう為、仕上げる前に徹底して仮合わせを行います。ただ、全体的な外観の統一感はこちらの方がありますし、見た目的にも丈夫な感じがします。大方、高齢の方で幼少期から義足を使用している方がこちらの義足を好みます。昔のタイプだと、カフベルトと呼ばれるベルトで義足懸垂を行いますが、今現在、シリコンライナーを併用するタイプも製作が可能です。作り変えの時期は新規製作をして2年経過後に足部の劣化やソケット(切断肢を入れ込む容器)に不具合が生じた場合に行います。
次に骨格構造義足
通常、ソケット・クランプアダプタ・パイプ・足部のパーツ構成からできており、殻構造義足とは違い、完成した後でもアライメントや高さ調整なども行えます。写真にもあるように、スポンジ製のカバーを取り付けることにより、外観を足に見せるようにできています。義肢製作所によって作り方は様々ですが、近年はシリコンライナーを使用する観点から骨格構造の義足が主流となってきています。骨格構造義足の耐用年数は5年とされており、殻構造義足と違い、パーツの構成からできているので、部分的な修理が可能なため、原則、修理対応が基本といってもいいかもしれないです。ソケットは修理後約3ヶ月間は保証対応としておりますが、義足使用者の断端の変化によっては半年ほどで修理申請をしてもらい、作り変えを行うこともあります。足部が1.5年の耐用年数、クランプアダプタが1年、パイプが最長の5年となっております。沖縄県内で義足新規製作を行う場合、義肢製作所において、「新規製作理由書」がなければ新規製作が行えません。新規製作理由書の内容は、今までの製作履歴や、修理対応ができない理由とは何か?とかなどを細かく書類があります。これが重要です。原則修理対応ですので、あしからず。
骨格構造義足の耐用年数の目安として
ソケット ソケットの適合によるので半年〜1年くらい
クランプアダプタ 1年
パイプ 5年
足部 1.5年
※注意※
各都道府県によって申請内容は異なると思いますので、お近くの義肢製作所へご相談してみて下さい。
お客様各位
弊社では下記の期間を、年末年始の休業日とさせていただきます。
つきましては、期間中ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力の程
よろしくお願い致します。
1.仕事納め 12月29日(木) 午前中:通常業務 午後:16時 業務終了
2.年末年始休業 12月30日(金)~1月3日(火)
3.仕事始め 1月4日(水) 通常業務開始
年末は込み合うこととが予想されます。特に最終日の12月29日は諸事情により、即日対応が難しくなります故、修理・調整・相談などがありましたら、お早めにご連絡いただけますよう、お願い申し上げます。
(有)砂田義肢製作所 代表取締役 砂田宏典
義肢製造担当の平安です。
本日、K君の走る用の義足が完成しました。パラリンピック選手などが使用する、走る用の義足の足部は基本的に、走る時に前足部(つま先)設置をするためだけの設計なので踵が無いので歩きには不向きですが、チーターエクスプロアは従来の板バネ方式に踵まで設置できるように設計されているので、フットカバーはもちろんのこと、靴を履くこともできるので走るだけではなくて、通常歩行も可能となっています。
右足が利き足なので、遊動の膝継手(トータル・ニーJr)を使っています。その所為ではありますが、義足の長さがだいぶ長くなってしまいました(T . T)
右足のカーボンブレードはギリギリの長さでカットはしていますが、あまり短くしすぎてしまうと、本来の機能も損なわれてしまいます。いろんなエネルギー蓄積型足部がありますが、カーボンブレードが長い方がより特性を生かせるのが重要です!!成人用だと最近のお気に入りはossur バリフレックスXCですね。あれは性能的に良い!!が、値段が高い!!だからあまり提供する機会が少ない(泣)
と、話を戻して…。
平行棒の中ではありますが、この状態でジャンプをしてもカーボンが靱る事で衝撃を吸収してくれるので凄さがわかります。動画で紹介したいのですが容量オーバーでできませんでした……。
まあ、でも本人が一番喜んでいました。『軽いし歩きやすい』そんな事を言いながらホイホイ歩いていました。子供の適応能力は本当に早いε-(´∀`; )
でも、喜んでくれる事がなによりの『作った甲斐があったな』って思うことですよね。両側の義足を作るのが一番神経を使うんです。完全にとは言わずとも左右対称に大方しなければならないですし気を使います。
でもフォームカバーが取り付けられないのが難点ですかね。カーボンブレードが足首後方まで来ているので、正直、これにカバーは無理です(泣)まあ、それを了承の上でカバーなしで完成させました。体育の授業で使うのがメインになっちゃいますが、本人が気にしないのなら、これが通常に使う義足にもなるかもです。
本人は友達と駆けっこをする気満々でした(笑)
今回使用したパーツは、ほぼossur社の製品になりますが一部パーツは今仙技術研究所の製品もあります。
参考程度に…。
右足
シリコンライナー ossur シールインXトランスフェモラル
吸着バルブ ossur L55200
膝継手 ossur トータル・ニーjr
足部 ossur チーターエクスプロアjr
左足
シリコンライナー ossur シールインXコニカル
吸着バルブ ossur L55200
膝継手 LAPOCK(今仙)C0720単軸ロック
足部 ossur チーターエクスプロアjr
義肢製造担当の平安です。
今回は、今年認可を受けた膝継手otto bock社の電子制御膝継手3E80に独自のカバーを取り付けてみました。
ソケットは吸着式なので、二重ソケットにしており、内ソケットはメディ社のEVAプラスチックを使用しています。外ソケットのカーボンはotto bock社のUDカーボンを使用しています。クロスカーボンではなくこのカーボンを使うことでカーボン繊維を均一にラーミネーションすることができるので、すべてのカーボンソケットの表面剤として使用しています。
ここからが本題で、以前、C-leg4に通常のフォームカバーを製作したことがありますが、充電するための接続口が後方にある為、せっかく仕上げた外装に穴を開けなければならず、見ため的にもあまりよろしくはなっかったので、もし外装を取り付けるのであれば、専用のプロテクトカバーがやはり良い感じでした。今回は3E80なのですが、こちらは専用カバーがない為に、通常のフォームカバーで製作するか、カバーを取り付けないかしかのどちらかしか無かったのですが、以前から取り組んでいる自社製のカバーを製作してみました。せっかくのカーボンソケットでもありますし、『見せる義足』として製作しました。
まずは、膝継手と足部だけを取り外し、下腿義足などで使うフォームカバーで外観を製作。
余ったフォームカバーを繋ぎ合わせて作ったので繋ぎ目が見えちゃってますが(汗)まずは第1段階です。もちろん見えてはいないですが3E80がカバーの中に入っています。型だしが終わったらギブスで採型をします。
こんな感じで、ギブスで型を取り石膏モデルを立ち上げてカーボンでラミネーション(カーボンに樹脂を流しこむ作業)を行います。ラミネーションの作業風景は『殻構造みたいな外装』でも紹介していますのでそちらをご覧ください。
そんなこんなで完成したのがこちらです。↓
あくまでも下腿部分だけのカバーだけなので膝周りの形状がないので、通常の外装と違い膝の部分はむき出しになっちゃいます。半ズボンを履いたとしてもそこまで気にはならないと思いますが、今回のユーザーさんは男性ですので特に気にする程のものではないと言っていました。女性だと、どうだろうとは思いますが……。
このような外装を製作する上での注意点は足部(エネルギー蓄積型足部では特に)の動きに干渉しないように隙間を設けます。
隙間を隠すためのものとしてジニウムの専用カバーで用いるアンクルカバーを使います。隙間を設けないとカバーと干渉することにより摩擦音や膝継手や足部の機能が損なわれてしまいます。今回は足部もotto bock社のものだったので良かったのですが、他者の足部だとフットカバーの中に入り込むように作りますが、やはり足部の前後は動きが干渉しないようにくり抜きます。
あとは足部とアンクルカバーを接続して完了です。この外装の中は空洞になっているため、そのまま膝継手を入れても固定されていないので動いてしまいますので、型出しようで削り出したフォームカバーを入れています。
もちろん充電口も後方に設けています。
後方写真ですが、カバーの中に見えているのが、削り出したカバーが中に入っている状態です。今回は自分でも『いい仕事したなぁ〜』と思いましたし、ユーザーさん自身もとても喜んでもらいました。実際に、半ズボンで出かけることもあるそうなので、どこかでお目にかかる機会があるかもしれませんね。あくまでも沖縄県内になりますが(笑)
全国にもotto bock社の3E80を使われているユーザーさんが居るかと思います。もし、自分も使ってみたいなって思われたのでしたら、是非、担当の義肢製作所様に砂田義肢のホームページを見せていただければ、おおかた作り方を把握できるかと思いますので、参考にしてみていただけたらと思います。
義肢製造担当の平安です。
お題の通り、今年2本目となる筋電義手の製作があり、完成となりました。
下の写真が組み立て前の構造で、右上の物が切断肢を収めるためのソケットで、その下が前腕部と呼ばれる腕の役割をする部分です。くり抜かれている所は、写真右下に写っている赤いものをはめ込むのですが、筋電義手を動かすのに必要な動力源であるバッテリーを収める場所になっています。ソケットには筋電の操作に必要なセンサーがすでに付いています。
下の写真がバッテリーボックスを設置したところです。赤いケーブルがバッテリーボックスからのもので、2本のセンサーのケーブルの計3本を写真下の丸っこい黒いような物に接続します。そこが電動ハンドとの接続部になります。
すべてを組み合わせると...。はい出来上がり!!
これでとりあえず筋電義手のできあがりですが、最後の仕上げにコスメティックグローブなるものを取り付けます。一応、筋電義手製作の説明としてなので一旦の完成としておきますね。筋電義手の製作で一番考慮しなければならないのが、バッテリーボックスの設置個所。電動ハンドとバッテリーがなかなかの重量で、切断肢より手先に行く程、重さを感じていまいます。まあ、例えるなら肘を90°曲げた状態で、同じ重さの荷物を手で持つか、腕に引っ提げるかでは重さの感じ方が違うように、筋電義手の製作時には、そういった要素を考慮して作らなければいけないのです。
8月20日に東京で開催されました、第8回切断者SIGセミナー「義手」基礎から実践まで〜 に参加してきました。小児用の筋電義手製作に対するアプローチや実際に使ってみての成果など、また、成人への筋電義手のアポローチなど、なかなか聞くことができない内容が盛りだくさんでした。
展示ブースにはi-limbやミケランジェロハンド、小児用ハンドや多種類のハンドに簡易電動ハンドなどがあり楽しめました。このような勉強会を開いてくれた主催者様には感謝申し上げます。また、次の開催があるときには参加させていただきたいと思います。
さて、我々が筋電義手を製作する上でぶつかってしまう壁が行政です。過去のブログでもお話ししましたが、高機能膝継手C-leg4と同様で、筋電義手製作にかかる費用は少なくとも100万円は超えていしまいますので、「欲しいから」との理由だけでは支給することができません。支給するにあたっては、就業しているか?これから就業予定で、尚且つ、能動義手などを使い日常生活や業務において筋電義手でなければならないとの条件がある場合、またはそのような訓練を行っているなどでなければ、今の所、支給対象となることは難しいとは思います。できないわけではないです。
先に申し上げたようにただ「欲しいから」だけの理由では門前払いになってしまう恐れはあるかもしれませんが、本当に必要とする方がいれば、支給に向けたお手伝いはさせていただきたいと思います。
今回製作した筋電義手も金額にして約190万円します。これだけの費用を捻出するわけですから、行政側が限られた財源で誰に何を支給すべきか精査する理由がわかるとは思います。
筋電義手を試したい、製作してみたいという方は、砂田義肢製作所までお問い合わせください。
久しぶりの投稿となりました。
義肢製造担当の平安です。
今回は、大腿義足のカバーを殻構造みたいな感じに仕上げてみました。以前のブログでもご紹介はしておりますが、今回は小児用の大腿義足のカバーを製作してみました。
義足のカバーは通常2種類のスポンジを使い分けます。下腿義足の外装によく使用されるスポンジはヘタリにくく少し硬めのスポンジを使い、大腿義足では膝継手の膝の曲げ伸ばしを考慮しなければならないので下腿義足用とは異なる柔らかめのスポンジを使用します。柔らかいので、月日が経つと靴下の足首周りは潰れてきたり、膝継手のあたりでは破損が出やすくなります。
今回の、大腿義足は膝継手を使用していないので、殻構造みたいな外装にすることができました。後は、小児なので、制作する上での必要材料が辛うじてあったので、今回迄と言う事でお受けしました。まずは、下腿義足などで使用する硬めのスポンジであらかじめ周計と膝の位置などを合わせて削り出しました。
製作所さんならわかると思うんですけど、物が物だけに、陽性モデルを乾燥させるのに2日間要しました。(⌒-⌒; )
陽性モデルが乾燥したら、ソケットの製作などでも行う、『ラミネーション』です。
樹脂を硬化材と混ぜ合わせることで、硬化します。硬化までの所要時間は大方30分くらいかな?完全に硬化したら中身の陽性モデルをパイプを叩きながら、石膏を割って取り出します。これも意外に重労働・・・。なんせ大きいので囧rz
ちょっと、画像が小さくて申し訳ないのですが、今回このようにしたのは、本人希望あってのことと、膝継手が無い事、小児なので長さが製作する上で必要な材料が確保できた事、訳あってカバーを外す事などがあるので、このような仕上げにしました。さすがに大人用では無理です(ー ー;)
下腿義足では、似たような物を何回か製作もしましたし、逆に、県外で製作された方が来た時に拝見する事もありますし、いろいろと見る機会が出てきたような……。
夏も近づいてきてますので、私自身も半ズボンで街中を歩いている時がありますので目にする機会があるかもしれませんね(笑)
義肢製造担当の平安です。
今回はC-legがリニューアルされC-leg4となり、使用者がより安心して義足に体重を預けられるようになりました。
そもそも、大腿義足装着者が最も恐れているのは膝継手が急激に曲がる「膝折れ」。これは、大腿義足装着者によくある話で、大腿義足の膝継手の原理として、立位時に体重荷重線が膝継手の軸より後方にあると膝が曲がります。なので、大腿義足使用者は、常に立つ時は体重荷重線が膝継手の軸より前方に来るように股関節を伸転させて意識して立つか、もしくは健足(切断肢でない足)に重心を置く場合が多いです。
この様な負担を減らしてくれるのがC-legで、イールディング(油圧抵抗を感じながらゆっくり曲がる)と言う機能が「膝折れ」の不安を解消してくれます。
「じゃあ、膝がゆっくりしか曲がらないなら、膝の振り出しの時に不便だろ?」って思うかも知れませんが、マイクロプロセッサーが歩いているのか?立っているのか?を感知して油圧のon/offをコントロールしてくれています。
さて、ここまで長々と説明をしてきましたが、C-legがリニューアされたことにより何が変わったのか?というと、直感的立位機能なるものが追加されたことにより、さらに安心して義足に体重を預けることができるようになりました。
立ち動作の時に、従来のC-legだとイールディングの機能により「膝折れ」はせずとも、常に膝が曲がるので重心を健足よりにかけがちでした。
←体重荷重線が前方に来るように意識して立つか、イールディングを利かせながら立つかをC-legユーザーは行っています。
右写真の状態が大腿義足装着者が立ちやすい状況なんですが、この状態だと上記でも説明したようにイールディング機能が働く事で、膝折れはしなくとも、ゆっくり膝が曲がっていくので、重心はこちらのユーザーさんですと左足になります。
ですが、実はすでにC-leg4なので直感的立位機能により膝継手にロックがかかり、これ以上膝が曲がらないように自動的ロックをかけてくれます。ロックがかかることで義足側にも体重を乗せることができます。内蔵されているセンサーが1秒間に100回も計算することで、使用者が歩いているのか?立っているのか?を判断して最適な状況にしてくれます。電車などの通勤時や、立っている事が多い時など、この機能は良さを発揮します。
でも膝がロックされたら歩けないだろ?って思うかもしれませんが、動きを感知したら瞬時にロックを解除して、歩きに最適なモードに切り替わります。本日で2本目となりますが、見ているこちら側もすぐに分かるくらい機能が向上していますし、ユーザーさんも「これ、楽だね!」とすぐに言ってくれました。
付属のリモコンにも液晶画面が付いたことにより、充電の残量や、その日に歩いた歩数、さらには機能切り替えなども簡単に行えるようになりました。
福祉でのC-leg支給は認められてはいますが、よほどのことでない限り認められていないのが現状です。良いものでありますが、みんながみんなC-legだと福祉予算を圧迫しかねません。ですが、我々義肢製作所としても、そこをいろいろな膝継手を試し、精査した上で、C-legでなければ生活ができないという理由がなければ申請を行いません。それほどの理由がない限り、許可が出るという現状は厳しいです。他の都道府県も同じだと思いますが、本当に必要な人に提供ができればなと思います。
製品カテゴリから、義肢→義足→膝継手で見ていただくとC-leg4の詳しい内容がありますので、そちらもご覧ください。
義肢製造担当の平安です。
久しぶりの更新となりました。
今年の初め頃から勧めていた筋電義手の申請許可が出たので、完成して納品することができました。
開いた状態
閉じた状態
コスメチックグローブを付けているので見た目的には筋電義手であることがわかりにくいかと思います。
本来、能動ハンドや能動フックの開閉は、ハーネスと呼ばれるものにハンドから出ているケーブルを接続して特定の動作を行ってもらうことで、ハンドの開閉ができます。簡単に言うと、手を「前ならえ」するようにして、肩甲骨を広げるような感じにするとハンドが開き、緩めるとハンドが閉じるという仕組みなのですが、筋電義手はそのような動作ではなく、以前の投稿でも説明したように手の平を内に倒すようにすることで発生する筋肉の筋電シグナルで電動ハンドが閉じ、逆に手の平を外に倒すようにすることで発生する筋肉の筋電シグナルで電動ハンドが開くことができます。なので、義手側の手を上に挙げた状態でも後ろに回した状態でも、屈んで下に落ちているものを拾うのも可能となるわけです。
仮合わせ
労災での筋電義手の製作が沖縄県でも可能となったので、初の対応となりましたが、今後も労働災害での切断で筋電義手製作を希望される方がいるのであれば、お手伝いさせていただきたいと思います。
義肢製造担当の平安です。
今回、筋電義手を製作するに当たり、実際に使用が可能かを調べるための「MYOBOY」と言う装置を使って筋電シグナルの有無を確認しました。
切断肢には二つのセンサーを取り付けており、一つのセンサーは手首の掌屈(掌側へ手首を曲げること)する時に発生する表面筋電位を「ものを掴む」側へ、もう一つのセンサーは背屈(手の甲側へ手首を曲げること)する時に発生する表面筋電位を「ものを離す」側へ取り付けて、電動ハンドの開閉動作を「MYOBOY」を使いながら訓練を行ってもらいます。
パソコン上でもリアルタイムで筋シグナルの強弱やまた卓上にある電動ハンドで開閉などを操作訓練を行っていきます。言葉では簡単に説明できますが、実際にはとても難しいことで、切断により欠損した手首を動かすと言うのは至難の業かと思います。
想像してみてください。難しいですよ...。でもこれができなければ筋電義手を作ることができませんので、これから製作を希望される方にはがんばっていただきますけど!!
やはり、「ものを掴む」という動作がこんなに大事なことなんだなって改めて思いました。自分は右足の膝下から切断しているので義足が無ければ歩くことができないように、手を失うとできなくなってしまう動作がたくさんあるんだなと。今回のユーザーさんも私も事故での切断を余儀なくされましたが、事故も何処かしらで防げたのではないかと思う反面、近年、「糖尿病」での下肢切断も増えてきております。日々の食生活などが要因であるでなどと耳にすることもありますが、先天性の糖尿病もありますので、すべての「糖尿病」が悪いわけではありません。ですが日ごろからの健康管理も含め、自分の体がどのような状態にあるのかどうかは知っておくべきだと思います。定期健診や人間ドッグなどを受けるのもそうですし、肥満社会といわれる昨今、体調には気をつけなければならないことだと思います。
来月までには筋電義手も完成していると思いますので、また改めて報告いたします。
沖縄県で筋電義手を作るなら是非、砂田義肢にお越しください。
去る、1月20日に砂田会を開催いたしました。
那覇市立病院リハビリテーション理学療法士の川端晋也先生による「ウェルチェアラグビーに関連して」とのお題で、パラリンピックやアジア大会に帯同した時の経験を踏まえた内容で講義していただきました。
かの有名な「五郎丸選手」でブームが沸き起こったラグビーですが、同じラグビーでも車椅子を用いて行うウェルチェアラグビーなんて聞いたことはあっても目にしたことはなかなかない中で、いろいろと講義していただきました。ウェルチェアラグビーのスタートは1996年にアトランタ・パラリンピックでデモンストレーション競技として初登場をして、2000年にシドニー・パラリンピックから公式種目となったそうです。
そんなウェルチェアラグビーの試合が行われるのは冬がメインだそうです。その理由として、選手の中には頸髄損傷や脳性麻痺等により体温のコントロールが難しい方もいらっしゃるようで、夏場に試合を行うと「熱中症」になる恐れがあるからみたいです。
その他にもトレーナーとしてサポートすることはもちろん、選手一人一人のコンディションや食事管理も徹底するそうで、特に注意しなければならないのが、大会中に服用する薬には気をつけているそうです。なぜならば、ドーピング検査があるからです。市販の風邪薬でもドーピング対象の成分が入っていると失格になる恐れもありますので注意しなければならないそうです。
特に印象に残ったのは、すべてをサポートするのではなくて、できることは自分でさせる・代表選手として他国の選手から見て恥じない振る舞いなどの指導も行うそうです。これは健常者・障碍者関係なく当たり前にできてないといけないですね(汗)
ウェルチェアラグビーで使用する車椅子は特注でなんと価格が約100万円~120万円するそうです😱。でもご安心ください!あくまでも選手として使用する場合は購入しなければならないと思いますが、もし、ウェルチェアラグビーをやってみたいと思う人は、お試しようの車椅子があるそうなので、そちらで試してみてから今後を考えると良いと思います。
それ以外にも国立障害リハビリテーションセンターや別府重度障害者センターなどで、自立訓練や就労施設があり、入所施設で障がい者スポーツに関わる事ができるそうです。
障がい者であるからスポーツができないと思わずに、チャレンジすることが大事だと思います。
義肢製造担当の平安です。
久しぶりの更新となりました。
というのも、10月末ごろに風邪の症状から劇症型心筋炎と言う病気になってしまい、約1ヶ月の間、入院しておりました。
誰がでも起こりえる病気みたいですので皆さんもお気をつけいただければなと思います。どんな症状だったかは話すと長くなるので、検索してみてください。どんな感じかあえて言うなら「危うく死ぬところだった!!」です。
ではここから本題に...
以前から、見せる義足(デザイン性)のような事ができればなって思っていろいろと試しておりまして、何名かのユーザーさんに使ってもらっています。ossur社のプロプリオフットを使った義足にも製作しました。そのノウハウを活かして自分のを造ってみました。
ソケットの色も赤にして、外装となるフォームカバーは白にしました。本当はアイ〇ンマン風にする為にカーラッピングの技術を応用してカラーを入れようと専門の業者さんに見積もり依頼をしたところ、以外にもお値段が高く断念したため、最終的に機械チックな感じを出すために穴を開けてみました。
実際の中身は右にある2つの写真です。使用足部はオハイオ社のパスファインダーです。メーカー推奨の軟性のフォームカバーがあり試したことがありますが、足首の所がカーボンブレードとシリンダーの兼ね合いで細くすることができないので、見た目と劣化するとボロボロになることから、我社のパスファインダーユーザーさんは殆どフォームカバーなしでご提供しているのが実情です。
僕なりにはパスファインダーは見た目的にもカッコいいと思っているので、カバー無しでも良いかなとは思っています。でも、カバー無しで気になるのは、ズボンの上からのシルエットですかね...。
こちらが、プロトタイプをつけた状態です。僕自身は満足してはいるのですが、製作となるとちょっと大変ではあります(泣)ここにいたるまでに2個ほど作り直しをしています。
初号機ではなかなか合わずハマりこまなかったし、二号機ではハマりはしたもののキツ過ぎてパスファインダー特有の動きを阻害したり、摩擦音がしたりと色々とあり最終的には3個目でようやく完成しました。
それでもできないことはないので、必要とするユーザーさんがいれば、時間さえいただければ作ることは可能です。
ちなみに海外ではUNYQという会社が義足のお洒落なフォームカバーを専門的に取り扱っています。今回の自分のフォームカバーもそれを参考にしたうえで作りました。来年には国内での取り扱いも可能になるとの噂も聞いておりますが、気になる方は下記にURLを載せておきますのでご参考程度に...。
これを気に、日本でも見せる義足が当たり前になればなと思います。
ちなみに、夏ごろには完成していたので、短パン姿で街中やデパートをすでに歩いています。さすがに今は冬なので無理ですが、目にされた方はいるかも...。また、短パンをはく時期が来ましたら何処かで見にする事があるかもしれませんが、ぜひお声かけいただけたらなと(笑)
←UNYQ社フォームカバー 下腿義足用
その他をご覧になりたい方はこちらからhttp://unyq.com/