トリトン スマートアンクル

義肢製造担当の平安です

最近は工場で義手や義足を製作するの事が多くなってきています。なので以前は在宅などの対応も出来ていましたが、なかなか出来ず仕舞いで患者様にはお待たせしてしまっている部分もあり、大変申し訳なく思っております。お待ちいただいているユーザー様、今年度中に必ず対応いたします。

今回、国内初となる足部をユーザー様へ納品いたしました。それが題にもありますようにOtto bock社のトリトンスマートアンクルというものです。
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この足部のデモ機を僕自身も約1ヶ月ほど試してみました。感想としては『歩いている時も、座っている時も少なからず義足である事を忘れさせてくれる』っていう感じでした。実際にこのトリトンスマートアンクルを納品したユーザー様も同様に『歩くのが楽になったし、座っている時の窮屈感が無くなった』とのお声をいただきました。

と、言いますのは、この足部の特徴は足の関節部分が油圧機構により前後17°動くんです!

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前額面                     矢状面

(コンピューターで使用者がどこを歩いているのかを判断するためにアライメントはOtto bock推奨のアライメントに設定する必要があります。)

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最大背屈角度                 最大底屈角度

足首の角度が変動する機能を生かし、尚且つコンピューターも内臓されているので、使用者が歩行している路面の傾斜に最適な足首の角度に調整してくれます。例えば、義足ユーザーが坂道を登っている時には、義足のつま先に重心を置いて登る事しか出来ません。通常、義足の足部の足関節が動くわけではないので、つま先のみで坂を登ることになります。そおなると、ソケットと呼ばれる切断肢を納める容器のちょうど膝の皿(パテラ)の部分にものすごい圧痛を感じます。ですが、このトリトンスマートアンクルだと、登り始めの1歩目で足部がどこに力のモーメントが来ているのかを判断し足首の角度を変えてくれます。2歩目からは踵からつま先にちゃんとに重心が載せられるようになるんです。逆も然りで、坂道などをくだる際だと通常は踵のみにしか体重をかける事が出来ませんが、やはり先ほどと同様で1歩目で足部に内蔵されているコンピューターが路面状況を感知をし2歩目から角度が変わって踵からつま先まで体重をかける事ができるんです。
この効果は階段の上り下りにも発揮します。我々が義足のユーザーさんに階段を降りる際の歩行指導としては、義足側で降りる時なるべく義足足部の踵(足部の長さの中心部から踵の範囲内)を階段の縁に乗せるようにと指導します。理由としては、義足の足部を恐いがために前に出さずに降りようとすると重心が前に持って行けずに、返って降りにくくなってしまうからです。この動作は慣れている人だと問題なく出来ますが、慣れていないと恐怖でしかありません。

ですが、トリトンスマートアンクルは足首の角度が変動しますので、階段を降りる際には先に述べたような事をせずとも階段を降りられます。これは自身でも体験しているのでわかります。階段を登る際もしっかりと膝を曲げて登る事ができるので本当に楽です。

さらに極め付けがリリーフ機能というもので、座っている時に義足に体重をかけずに最短2秒キープすると足首の関節が座る時に適した角度へ調整する事が出来ます。

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深く腰掛けた場合          足を伸ばして座った場合

この機能は下腿義足ユーザーにとって素晴らしい機能で、僕もそおなんですけど、通常は義足の足部は固定されているので、座っている時などは義足の足部を床に合わせるように座るとソケットが膝の裏側を圧迫してしまうのでキツくなっちゃいます。かといって、逆に足を伸ばして座ると足部の踵しか接地しないので義足のバランスが不安定な状態になりソケット内で変な圧痛が生じたりします。それに足を伸ばして座ると健側(切断しでない足)の足は床に接地しているのに義足側は踵だけしか付いていないというアンバランスな見た目にもなってしまうので、人目が気になる義足ユーザーにとっては悩みの種となっている部分もあります。
今年は、飛行機に乗る事が多かったので、まさしくこの機能があれば窮屈感を気にする事なく移動が出来たんじゃないかなって思っています。僕は右足が義足です。長距離の移動の際は大方、義足は外しちゃいますし、飛行機の座席もだいたい左サイドの通路側で指定します。でないと足が伸ばせないので長距離の移動が嫌になっちゃうからです。
義足のパーツも高機能になって来ていますが、やはりここで問題となってくるのが高機能だから高価なものになって来ます。この足部も約150万円もしますので、今現在は福祉での購入は出来ないと思っています。今回納品させていただ方は自費購入でしたが、義足全体の価格は約190万円でしたので、軽自動車を新車で購入するのと同じ金額くらい?になると思います。
今回のユーザーさんに限ってはそれでも今後の自分の生活のためにもスマートアンクルが必要だとの思いから購入に至ったので、ご本人も大変満足していました。

たまに、どんな意味なのか『砂田義肢は高いものばっかり提供している』って声も聞いたりしますが、高機能高価格のパーツを全ての方に提供したことはございません。我々もプロとして仕事をしています。いくら高機能なものでも、本当にそのパーツの機能を生かす事ができる人とそうでない人がいます。義足を製作する上でユーザーさんにはお話しておりますが、『義足に歩かされるのではなくて、自分で義足をコントールしてください』と。これが出来なければどんな高機能なパーツを使おうが機能を生かす事が出来ない歩きになってしまうので、僕自身、なんのために義足を作ったのかと考えてしまうんです。無理して高機能パーツに合わせてしか歩けないようでは高いお金を払う意味もありませんので。なので、弊社では必ずメーカーからデモ機をお借りし、ユーザーさんに試してもらい評価して提供出来るか出来ないかを判断した上で、製品を作っています。その為に常に新商品のなどの情報にアンテナを張り巡らせ、果たして使えるものなのかそうで無いのか、また、セミナーなどへ参加をして新しい技術なども取得し提供しております。全ては砂田義肢で義肢装具を必要とするユーザー様のQOL向上に繋がるようにと考えています。

大腿義足の懸垂方法

義肢製造担当の平安です。

今年は結構忙しすぎてなかなかブログの更新ができていませんでした。
先週なんて1週間で仮合わせや仕上げを含めて13本の義足を一人でこなしていましたので、かなりヘトヘトです。そのタイミングでちょうど大腿義足を3本違うパターンで製作したのでご紹介したいと思います。

現在、基本的に造られる大腿義足はシリコンライナーを用いた懸垂方法で製作をしますが、シリコンライナーを使うにしても違うパターンがあり、装着者の使用状況で決定します。大方、ピンを使う事が多いですが、砂田義肢では吸着式が多いかなと思います。

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左の大腿義足が通常のピンではなくベルトで固定するタイプの『KISSシステム』
座位で義足を装着する人向けになります。ピンの代わりにベルトをシリコンの先に取り付け、ソケット底面からベルトを通し、ソケット全面から出てきたベルトを同じくソケット前面に取り付けたベルトと接続するカンと呼ばれる物に接続して義足を装着し義足を懸垂します。移乗動作や屋内生活ぐらいの人向けかなと思います。

真ん中の大腿義足は吸着式で最近製作数が増えてきている『プロシールライナー・プロシールリング』を用いて楽に履けるタイプ。吸着式は昔ですと、引き布を呼ばれるもので切断肢を巻き、ソケットに切断肢を差し込み、バルブ穴から引き布を引っ張って密着させる方法ですが、近年では、ライナーの吸着式が主流となっていて、引き布式で要していた時間を短縮させる事ができる為、各社色々なタイプがあります。私どもでは、メディ社の4シールかOtto bock社のプロシールタイプが多くなってきています。吸着式は文字通り吸着させないといっけないので、断端が細くなると吸着力が弱まり抜ける恐れがあるので、場合によっては作りかえる必要があります。

右の大腿義足がピンを使うタイプ。こちらが一般的には多いかなと思いますが、ピンの向きを合わせないと装着ができなくなってしまうのと、切断肢が長い人だとパーツの兼ね合いによって膝軸が低くなってしまいます。ピンタイプは吸着式に比べて、断端が細くなっても専用のソックスを履くことで細くなった部分を補うことで長期的に履くことが可能ですが、履き増しをしすぎると高さや圧迫を高めることもあるので、状況次第になります。

まあ、それぞれメリットとデメリットがあるので選択するにあたっては、先にお話ししたように装着にとって楽に履ける方法は何か?1日を通して断端のボリューム変化はどれぐらいか?またはパーツの組み合わせで問題が生じることはないか等を考慮した上で決定します。

今現在のおススメとしては、Otto bock社の『プロシール』がいいかなと思っています。今月には北海道にて『プロシール』のセミナーを行います。すでに東京・名古屋・福岡でのセミナーも終え、追加セミナーとして北海道が最後となります。私の製作経験をお話しして、患者様の為になるものとなりますようにがんばりたいと思います。

先日ナブテスコ様が来ていただきALLUX(アルクス)のライセンス講習を受けました。これにより、砂田義肢製作所でのALLUXの販売も可能となりましたのでご興味のある方はお問合せください。

 

ご無沙汰しておりました

義肢製造担当の平安です。

前回の更新からだいぶ経ってしまいました。年初めからだんだんと忙しくなり、さらにOtto Bockセミナーの要望もありプレゼンテーションの準備やらで、なかなか更新できませんでした。

久方ぶりになりますが、以前にもご紹介しましたK君の義足の修理がありました。ソケット交換と外装の交換になります。大まかではありますが、義足カバーができるまでを改めて説明していきたいと思います。
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大本となる義足と両サイドにこれから必要となる外装(フォーム)の元となるものです。足部を取り外しフォームに埋め込んで、再度、足部を取り付けます。FullSizeRender 3

ここからは僕らの技術になりますが、機械を駆使して削っていきます。
すると、まぁ〜なんという事でしょう(笑)
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四角いフォームがこんな感じになります。あの四角いものをここまで立体的に作り上げます。これで大方3時間くらいはかかったかな?なんせ両足ですから左右対象にしなければならないですからね。小学生の足というよりかはアスリートみたいな感じ(−_−;)まだまだ腕を磨かなければいけないですね・・・。

最終的にストッキングをかけて仕上げです。
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本人装着!!!!
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とまぁこんな感じです。
今年は本当に忙しい限りです。まあ、それだけ頼りにされてると思えば良いですかね。

冒頭でもお話ししましたが、私及び上司である砂田と共にOtto Bockセミナーの講師として参加しております。去る5/21(日)に東京会場にて発表をしてまいりました。砂田はOtto Bock社の製品とそれを元にした臨床報告をし、僕は製作工程や実際に使用しての感想(メリット・デメリット)などをお話しするような形です。僕の発表内容は最近取り入れているプロシールライナー・プロシールリングとDVS(ダイナミックバキュームシステム)の製品を中心に行なっています。東京会場では約80人の方々にお越しいただきました。今週は6/4(日)名古屋の日本聴能言語福祉学院にて行われます。その2週後には福岡へと・・・。

義足も色々なパーツが毎年出てきますが、取り入れられるもの・取り入れられないもの様々で、場合によっては義肢屋さん次第かと思いますが・・・。
今回はプロシールライナー・プロシールリングに限っては当社でも良く取り入れているものです。理由としては、近年の吸着式大腿義足はシリコンライナーを用いる事が多くなってきている中で、一番ユーザーが扱いやすいというのがポイントです。以前から出ている商品などは、若い人や、力のある人などを対象にした形でしか製作をしていませんでしたが、プロシール関連は老若男女を問わず誰もが難なく義足が装着できるという点です。

是非とも皆に知ってもらいたいところですが、沖縄県に在住であれば、何かお手伝いができるかもしれませんが、沖縄県外の方で『試してみたい』という方がいらっしゃいましたら、是非ともお近くの義肢屋さんへ足を運び、『Otto bockのプロシールってなんぞや?』と尋ねてみてください。あくまでも大腿義足装着者だけになりますよ。

 

 

 

 

 

2016年 今年もお世話になりました。

 

本日を持ちまして、今年の業務を終了とさせていただきます。

今年も沢山のお客様の生活をサポートする手助けができた事と思います。
また、お叱り頂いたことも多々ありますが、その失敗を改め、次に活かしていくことで、来年もより多くの装具や義肢、車椅子や座位保持、コルセットや日常生活用具を必要とする方々の生活をより良くする事ができますよう、社員一丸となりまして仕事に励んで行きたいと思います。

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今年は誠に有難うございました。また、来年も宜しくお願い申し上げます。

(有)砂田義肢製作所 代表取締役   砂田 宏典

義足についてのあれこれ(適合編)

義肢製造担当の平安です。

砂田義肢ホームページの検索項目で義足についての「あれやこれ」の中でよくある内容として、今回は義足の適合編です。

ちなみに僕も下腿義足を使用しているものとして、悩まされるのが、不適合により傷ができてしまうこと。ユーザーさんから「義足が当たって痛い」との表現をよく聞きます。骨とソケットが接触することにより傷になることがあり、それらの多くは、断端が細くなることによって断端がソケット内に落ち込み、骨に過剰な圧が加わることで傷になります。これらの対処法として、断端袋なる専用のソックスがありますので、それらを履くことで、定位置に断端をソケット内に収める形です。
img_2154自身の物になるので使用感がありますが、厚みが3種類あります。これらを重ねて履くことで不適合を起こしてしまっている要因を解消します。切断肢は日によってサイズが変わるので、その日ごとで厚さを調整します。場合によっては、朝は断端袋を履かなくても良いが、午後になるにつれて、枚数を重ねていく人もいました。その方は最終的には、夕方頃には5枚重ねてちょうど良いくらいという感じでした。
ただ、重ねて履くことで痩せた分を補うように見えても、デメリットとして断端長の変化も出てきてしまうので、3枚を限度とした方が良いです。写真にもあるように緑色の線が多いほど厚みがあります。2本線のもですと2枚重ねて履くのが限界かと思います。そこまでゆるくなってしまった場合は、修理申請を行いソケットの修理製作をお勧めします。

最近傷ができたので、僕もソケットを新しく作り変えなければなりません。
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右足になります。白くなっている2カ所が傷になっている所で、腓骨と呼ばれる骨の箇所に傷があります。先ほどの断端袋で対処できるのであれば問題ありませんが、解消できない場合は、ソケットにヒートガンの熱を加えて、ソケットの当たる部分を広げる処置が必要になります。この場合は個人でやるよりかは、義肢製作所にて調整してもらう方が良いです。それでも改善がなければ、やはり完全に不適合が生じているので、ソケットの作り直しが良いので、修理申請が必要になってきます。

内科疾患(糖尿病等)をお持ちの方は傷になる前に、お近くの義肢製作所へご相談してください。私どもの方でも、『傷になってしまいそうと思ったら、早めに電話してください』と、ユーザー様に常々お伝えしております。傷が出来てからでは遅いので似たような経験をお持ちの方は無理をせず早めの対処をしていただいた方が宜しいかと思います。

全国の義足ユーザー様の疑問解消になるような内容をまた掲載していきたいと思います。

義足についてのあれこれ(修理編)

義肢製造担当の平安です

今回は砂田義肢ホームページの検索項目で義足について幾つか気になる内容があったので、それを踏まえてお話ししたいと思います。

まずは、義足には2つの種類があります。

まずは殻構造義足
626木をメインに組み上げるタイプで、完成させるとアライメントや高さ調整ができなくなってしまう為、仕上げる前に徹底して仮合わせを行います。ただ、全体的な外観の統一感はこちらの方がありますし、見た目的にも丈夫な感じがします。大方、高齢の方で幼少期から義足を使用している方がこちらの義足を好みます。昔のタイプだと、カフベルトと呼ばれるベルトで義足懸垂を行いますが、今現在、シリコンライナーを併用するタイプも製作が可能です。作り変えの時期は新規製作をして2年経過後に足部の劣化やソケット(切断肢を入れ込む容器)に不具合が生じた場合に行います。

次に骨格構造義足
631_Set通常、ソケット・クランプアダプタ・パイプ・足部のパーツ構成からできており、殻構造義足とは違い、完成した後でもアライメントや高さ調整なども行えます。写真にもあるように、スポンジ製のカバーを取り付けることにより、外観を足に見せるようにできています。義肢製作所によって作り方は様々ですが、近年はシリコンライナーを使用する観点から骨格構造の義足が主流となってきています。骨格構造義足の耐用年数は5年とされており、殻構造義足と違い、パーツの構成からできているので、部分的な修理が可能なため、原則、修理対応が基本といってもいいかもしれないです。ソケットは修理後約3ヶ月間は保証対応としておりますが、義足使用者の断端の変化によっては半年ほどで修理申請をしてもらい、作り変えを行うこともあります。足部が1.5年の耐用年数、クランプアダプタが1年、パイプが最長の5年となっております。沖縄県内で義足新規製作を行う場合、義肢製作所において、「新規製作理由書」がなければ新規製作が行えません。新規製作理由書の内容は、今までの製作履歴や、修理対応ができない理由とは何か?とかなどを細かく書類があります。これが重要です。原則修理対応ですので、あしからず。

骨格構造義足の耐用年数の目安として
ソケット      ソケットの適合によるので半年〜1年くらい
クランプアダプタ  1年
パイプ       5年
足部        1.5年

※注意※
各都道府県によって申請内容は異なると思いますので、お近くの義肢製作所へご相談してみて下さい。

年末年始営業のお知らせ

お客様各位

弊社では下記の期間を、年末年始の休業日とさせていただきます。
つきましては、期間中ご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力の程
よろしくお願い致します。

1.仕事納め    12月29日(木) 午前中:通常業務 午後:16時 業務終了

2.年末年始休業    12月30日(金)~1月3日(火)

3.仕事始め    1月4日(水) 通常業務開始

年末は込み合うこととが予想されます。特に最終日の12月29日は諸事情により、即日対応が難しくなります故、修理・調整・相談などがありましたら、お早めにご連絡いただけますよう、お願い申し上げます。

(有)砂田義肢製作所  代表取締役  砂田宏典

小児用チーターエクスプロア(両大腿義足)

義肢製造担当の平安です。

本日、K君の走る用の義足が完成しました。パラリンピック選手などが使用する、走る用の義足の足部は基本的に、走る時に前足部(つま先)設置をするためだけの設計なので踵が無いので歩きには不向きですが、チーターエクスプロアは従来の板バネ方式に踵まで設置できるように設計されているので、フットカバーはもちろんのこと、靴を履くこともできるので走るだけではなくて、通常歩行も可能となっています。
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右足が利き足なので、遊動の膝継手(トータル・ニーJr)を使っています。その所為ではありますが、義足の長さがだいぶ長くなってしまいました(T . T)
右足のカーボンブレードはギリギリの長さでカットはしていますが、あまり短くしすぎてしまうと、本来の機能も損なわれてしまいます。いろんなエネルギー蓄積型足部がありますが、カーボンブレードが長い方がより特性を生かせるのが重要です!!成人用だと最近のお気に入りはossur バリフレックスXCですね。あれは性能的に良い!!が、値段が高い!!だからあまり提供する機会が少ない(泣)

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と、話を戻して…。
平行棒の中ではありますが、この状態でジャンプをしてもカーボンが靱る事で衝撃を吸収してくれるので凄さがわかります。動画で紹介したいのですが容量オーバーでできませんでした……。

まあ、でも本人が一番喜んでいました。『軽いし歩きやすい』そんな事を言いながらホイホイ歩いていました。子供の適応能力は本当に早いε-(´∀`; )
でも、喜んでくれる事がなによりの『作った甲斐があったな』って思うことですよね。両側の義足を作るのが一番神経を使うんです。完全にとは言わずとも左右対称に大方しなければならないですし気を使います。
でもフォームカバーが取り付けられないのが難点ですかね。カーボンブレードが足首後方まで来ているので、正直、これにカバーは無理です(泣)まあ、それを了承の上でカバーなしで完成させました。体育の授業で使うのがメインになっちゃいますが、本人が気にしないのなら、これが通常に使う義足にもなるかもです。
本人は友達と駆けっこをする気満々でした(笑)

今回使用したパーツは、ほぼossur社の製品になりますが一部パーツは今仙技術研究所の製品もあります。

参考程度に…。
右足
シリコンライナー ossur シールインXトランスフェモラル
吸着バルブ ossur L55200
膝継手 ossur トータル・ニーjr
足部 ossur チーターエクスプロアjr

左足
シリコンライナー ossur シールインXコニカル
吸着バルブ ossur L55200
膝継手 LAPOCK(今仙)C0720単軸ロック
足部 ossur チーターエクスプロアjr

Otto Bock 3E80に義足カバーを着けてみました

義肢製造担当の平安です。

今回は、今年認可を受けた膝継手otto bock社の電子制御膝継手3E80に独自のカバーを取り付けてみました。

まずは元となる義足です。
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ソケットは吸着式なので、二重ソケットにしており、内ソケットはメディ社のEVAプラスチックを使用しています。外ソケットのカーボンはotto bock社のUDカーボンを使用しています。クロスカーボンではなくこのカーボンを使うことでカーボン繊維を均一にラーミネーションすることができるので、すべてのカーボンソケットの表面剤として使用しています。

 

 

ここからが本題で、以前、C-leg4に通常のフォームカバーを製作したことがありますが、充電するための接続口が後方にある為、せっかく仕上げた外装に穴を開けなければならず、見ため的にもあまりよろしくはなっかったので、もし外装を取り付けるのであれば、専用のプロテクトカバーがやはり良い感じでした。今回は3E80なのですが、こちらは専用カバーがない為に、通常のフォームカバーで製作するか、カバーを取り付けないかしかのどちらかしか無かったのですが、以前から取り組んでいる自社製のカバーを製作してみました。せっかくのカーボンソケットでもありますし、『見せる義足』として製作しました。

まずは、膝継手と足部だけを取り外し、下腿義足などで使うフォームカバーで外観を製作。

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余ったフォームカバーを繋ぎ合わせて作ったので繋ぎ目が見えちゃってますが(汗)まずは第1段階です。もちろん見えてはいないですが3E80がカバーの中に入っています。型だしが終わったらギブスで採型をします。

 

 

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こんな感じで、ギブスで型を取り石膏モデルを立ち上げてカーボンでラミネーション(カーボンに樹脂を流しこむ作業)を行います。ラミネーションの作業風景は『殻構造みたいな外装』でも紹介していますのでそちらをご覧ください。

 

そんなこんなで完成したのがこちらです。↓

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あくまでも下腿部分だけのカバーだけなので膝周りの形状がないので、通常の外装と違い膝の部分はむき出しになっちゃいます。半ズボンを履いたとしてもそこまで気にはならないと思いますが、今回のユーザーさんは男性ですので特に気にする程のものではないと言っていました。女性だと、どうだろうとは思いますが……。
このような外装を製作する上での注意点は足部(エネルギー蓄積型足部では特に)の動きに干渉しないように隙間を設けます。

隙間を隠すためのものとしてジニウムの専用カバーで用いるアンクルカバーを使います。隙間を設けないとカバーと干渉することにより摩擦音や膝継手や足部の機能が損なわれてしまいます。今回は足部もotto bock社のものだったので良かったのですが、他者の足部だとフットカバーの中に入り込むように作りますが、やはり足部の前後は動きが干渉しないようにくり抜きます。

 

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あとは足部とアンクルカバーを接続して完了です。この外装の中は空洞になっているため、そのまま膝継手を入れても固定されていないので動いてしまいますので、型出しようで削り出したフォームカバーを入れています。
もちろん充電口も後方に設けています。img_0442

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後方写真ですが、カバーの中に見えているのが、削り出したカバーが中に入っている状態です。今回は自分でも『いい仕事したなぁ〜』と思いましたし、ユーザーさん自身もとても喜んでもらいました。実際に、半ズボンで出かけることもあるそうなので、どこかでお目にかかる機会があるかもしれませんね。あくまでも沖縄県内になりますが(笑)

全国にもotto bock社の3E80を使われているユーザーさんが居るかと思います。もし、自分も使ってみたいなって思われたのでしたら、是非、担当の義肢製作所様に砂田義肢のホームページを見せていただければ、おおかた作り方を把握できるかと思いますので、参考にしてみていただけたらと思います。

 

 

 

 

 

 

 

今年2本目の筋電義手製作

義肢製造担当の平安です。

お題の通り、今年2本目となる筋電義手の製作があり、完成となりました。

下の写真が組み立て前の構造で、右上の物が切断肢を収めるためのソケットで、その下が前腕部と呼ばれる腕の役割をする部分です。くり抜かれている所は、写真右下に写っている赤いものをはめ込むのですが、筋電義手を動かすのに必要な動力源であるバッテリーを収める場所になっています。ソケットには筋電の操作に必要なセンサーがすでに付いています。
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下の写真がバッテリーボックスを設置したところです。赤いケーブルがバッテリーボックスからのもので、2本のセンサーのケーブルの計3本を写真下の丸っこい黒いような物に接続します。そこが電動ハンドとの接続部になります。

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すべてを組み合わせると...。はい出来上がり!!

これでとりあえず筋電義手のできあがりですが、最後の仕上げにコスメティックグローブなるものを取り付けます。一応、筋電義手製作の説明としてなので一旦の完成としておきますね。筋電義手の製作で一番考慮しなければならないのが、バッテリーボックスの設置個所。電動ハンドとバッテリーがなかなかの重量で、切断肢より手先に行く程、重さを感じていまいます。まあ、例えるなら肘を90°曲げた状態で、同じ重さの荷物を手で持つか、腕に引っ提げるかでは重さの感じ方が違うように、筋電義手の製作時には、そういった要素を考慮して作らなければいけないのです。

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8月20日に東京で開催されました、第8回切断者SIGセミナー「義手」基礎から実践まで〜 に参加してきました。小児用の筋電義手製作に対するアプローチや実際に使ってみての成果など、また、成人への筋電義手のアポローチなど、なかなか聞くことができない内容が盛りだくさんでした。
展示ブースにはi-limbミケランジェロハンド、小児用ハンドや多種類のハンドに簡易電動ハンドなどがあり楽しめました。このような勉強会を開いてくれた主催者様には感謝申し上げます。また、次の開催があるときには参加させていただきたいと思います。

さて、我々が筋電義手を製作する上でぶつかってしまう壁が行政です。過去のブログでもお話ししましたが、高機能膝継手C-leg4と同様で、筋電義手製作にかかる費用は少なくとも100万円は超えていしまいますので、「欲しいから」との理由だけでは支給することができません。支給するにあたっては、就業しているか?これから就業予定で、尚且つ、能動義手などを使い日常生活や業務において筋電義手でなければならないとの条件がある場合、またはそのような訓練を行っているなどでなければ、今の所、支給対象となることは難しいとは思います。できないわけではないです。
先に申し上げたようにただ「欲しいから」だけの理由では門前払いになってしまう恐れはあるかもしれませんが、本当に必要とする方がいれば、支給に向けたお手伝いはさせていただきたいと思います。
今回製作した筋電義手も金額にして約190万円します。これだけの費用を捻出するわけですから、行政側が限られた財源で誰に何を支給すべきか精査する理由がわかるとは思います。

筋電義手を試したい、製作してみたいという方は、砂田義肢製作所までお問い合わせください。

殻構造みたいな外装

久しぶりの投稿となりました。
義肢製造担当の平安です。

今回は、大腿義足のカバーを殻構造みたいな感じに仕上げてみました。以前のブログでもご紹介はしておりますが、今回は小児用の大腿義足のカバーを製作してみました。

義足のカバーは通常2種類のスポンジを使い分けます。下腿義足の外装によく使用されるスポンジはヘタリにくく少し硬めのスポンジを使い、大腿義足では膝継手の膝の曲げ伸ばしを考慮しなければならないので下腿義足用とは異なる柔らかめのスポンジを使用します。柔らかいので、月日が経つと靴下の足首周りは潰れてきたり、膝継手のあたりでは破損が出やすくなります。

今回の、大腿義足は膝継手を使用していないので、殻構造みたいな外装にすることができました。後は、小児なので、制作する上での必要材料が辛うじてあったので、今回迄と言う事でお受けしました。まずは、下腿義足などで使用する硬めのスポンジであらかじめ周計と膝の位置などを合わせて削り出しました。

image この上からギブスを巻き陽性モデルを制作します。image

製作所さんならわかると思うんですけど、物が物だけに、陽性モデルを乾燥させるのに2日間要しました。(⌒-⌒; )
陽性モデルが乾燥したら、ソケットの製作などでも行う、『ラミネーション』です。
image  image樹脂を硬化材と混ぜ合わせることで、硬化します。硬化までの所要時間は大方30分くらいかな?完全に硬化したら中身の陽性モデルをパイプを叩きながら、石膏を割って取り出します。これも意外に重労働・・・。なんせ大きいので囧rz

嗚呼だこうだ作業をして、取り付けたのがこんな感じです。
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ちょっと、画像が小さくて申し訳ないのですが、今回このようにしたのは、本人希望あってのことと、膝継手が無い事、小児なので長さが製作する上で必要な材料が確保できた事、訳あってカバーを外す事などがあるので、このような仕上げにしました。さすがに大人用では無理です(ー ー;)

下腿義足では、似たような物を何回か製作もしましたし、逆に、県外で製作された方が来た時に拝見する事もありますし、いろいろと見る機会が出てきたような……。

夏も近づいてきてますので、私自身も半ズボンで街中を歩いている時がありますので目にする機会があるかもしれませんね(笑)

 

新たな膝継手 C-leg4

義肢製造担当の平安です。

今回はC-legがリニューアルされC-leg4となり、使用者がより安心して義足に体重を預けられるようになりました。
C-Leg4 両カラーそもそも、大腿義足装着者が最も恐れているのは膝継手が急激に曲がる「膝折れ」。これは、大腿義足装着者によくある話で、大腿義足の膝継手の原理として、立位時に体重荷重線が膝継手の軸より後方にあると膝が曲がります。なので、大腿義足使用者は、常に立つ時は体重荷重線が膝継手の軸より前方に来るように股関節を伸転させて意識して立つか、もしくは健足(切断肢でない足)に重心を置く場合が多いです。
この様な負担を減らしてくれるのがC-legで、イールディング(油圧抵抗を感じながらゆっくり曲がる)と言う機能が「膝折れ」の不安を解消してくれます。
「じゃあ、膝がゆっくりしか曲がらないなら、膝の振り出しの時に不便だろ?」って思うかも知れませんが、マイクロプロセッサーが歩いているのか?立っているのか?を感知して油圧のon/offをコントロールしてくれています。

さて、ここまで長々と説明をしてきましたが、C-legがリニューアされたことにより何が変わったのか?というと、直感的立位機能なるものが追加されたことにより、さらに安心して義足に体重を預けることができるようになりました。

IMG_0347立ち動作の時に、従来のC-legだとイールディングの機能により「膝折れ」はせずとも、常に膝が曲がるので重心を健足よりにかけがちでした。

←体重荷重線が前方に来るように意識して立つか、イールディングを利かせながら立つかをC-legユーザーは行っています。

 

 

 

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右写真の状態が大腿義足装着者が立ちやすい状況なんですが、この状態だと上記でも説明したようにイールディング機能が働く事で、膝折れはしなくとも、ゆっくり膝が曲がっていくので、重心はこちらのユーザーさんですと左足になります。
ですが、実はすでにC-leg4なので直感的立位機能により膝継手にロックがかかり、これ以上膝が曲がらないように自動的ロックをかけてくれます。ロックがかかることで義足側にも体重を乗せることができます。内蔵されているセンサーが1秒間に100回も計算することで、使用者が歩いているのか?立っているのか?を判断して最適な状況にしてくれます。電車などの通勤時や、立っている事が多い時など、この機能は良さを発揮します。

でも膝がロックされたら歩けないだろ?って思うかもしれませんが、動きを感知したら瞬時にロックを解除して、歩きに最適なモードに切り替わります。本日で2本目となりますが、見ているこちら側もすぐに分かるくらい機能が向上していますし、ユーザーさんも「これ、楽だね!」とすぐに言ってくれました。

付属のリモコンにも液晶画面が付いたことにより、充電の残量や、その日に歩いた歩数、さらには機能切り替えなども簡単に行えるようになりました。

福祉でのC-leg支給は認められてはいますが、よほどのことでない限り認められていないのが現状です。良いものでありますが、みんながみんなC-legだと福祉予算を圧迫しかねません。ですが、我々義肢製作所としても、そこをいろいろな膝継手を試し、精査した上で、C-legでなければ生活ができないという理由がなければ申請を行いません。それほどの理由がない限り、許可が出るという現状は厳しいです。他の都道府県も同じだと思いますが、本当に必要な人に提供ができればなと思います。

製品カテゴリから、義肢→義足→膝継手で見ていただくとC-leg4の詳しい内容がありますので、そちらもご覧ください。

筋電義手 納品

義肢製造担当の平安です。
久しぶりの更新となりました。

今年の初め頃から勧めていた筋電義手の申請許可が出たので、完成して納品することができました。
筋電義手開いた状態

筋電義手2閉じた状態

コスメチックグローブを付けているので見た目的には筋電義手であることがわかりにくいかと思います。
本来、能動ハンドや能動フックの開閉は、ハーネスと呼ばれるものにハンドから出ているケーブルを接続して特定の動作を行ってもらうことで、ハンドの開閉ができます。簡単に言うと、手を「前ならえ」するようにして、肩甲骨を広げるような感じにするとハンドが開き、緩めるとハンドが閉じるという仕組みなのですが、筋電義手はそのような動作ではなく、以前の投稿でも説明したように手の平を内に倒すようにすることで発生する筋肉の筋電シグナルで電動ハンドが閉じ、逆に手の平を外に倒すようにすることで発生する筋肉の筋電シグナルで電動ハンドが開くことができます。なので、義手側の手を上に挙げた状態でも後ろに回した状態でも、屈んで下に落ちているものを拾うのも可能となるわけです。

筋電義手 センサー配置センサーの位置決め

筋電義手 シグナル確認シグナル確認

筋電義手 仮合わせ仮合わせ

労災での筋電義手の製作が沖縄県でも可能となったので、初の対応となりましたが、今後も労働災害での切断で筋電義手製作を希望される方がいるのであれば、お手伝いさせていただきたいと思います。

 

筋電義手製作

義肢製造担当の平安です。

今回、筋電義手を製作するに当たり、実際に使用が可能かを調べるための「MYOBOY」と言う装置を使って筋電シグナルの有無を確認しました。
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切断肢には二つのセンサーを取り付けており、一つのセンサーは手首の掌屈(掌側へ手首を曲げること)する時に発生する表面筋電位を「ものを掴む」側へ、もう一つのセンサーは背屈(手の甲側へ手首を曲げること)する時に発生する表面筋電位を「ものを離す」側へ取り付けて、電動ハンドの開閉動作を「MYOBOY」を使いながら訓練を行ってもらいます。
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パソコン上でもリアルタイムで筋シグナルの強弱やまた卓上にある電動ハンドで開閉などを操作訓練を行っていきます。言葉では簡単に説明できますが、実際にはとても難しいことで、切断により欠損した手首を動かすと言うのは至難の業かと思います。
想像してみてください。難しいですよ...。でもこれができなければ筋電義手を作ることができませんので、これから製作を希望される方にはがんばっていただきますけど!!

やはり、「ものを掴む」という動作がこんなに大事なことなんだなって改めて思いました。自分は右足の膝下から切断しているので義足が無ければ歩くことができないように、手を失うとできなくなってしまう動作がたくさんあるんだなと。今回のユーザーさんも私も事故での切断を余儀なくされましたが、事故も何処かしらで防げたのではないかと思う反面、近年、「糖尿病」での下肢切断も増えてきております。日々の食生活などが要因であるでなどと耳にすることもありますが、先天性の糖尿病もありますので、すべての「糖尿病」が悪いわけではありません。ですが日ごろからの健康管理も含め、自分の体がどのような状態にあるのかどうかは知っておくべきだと思います。定期健診や人間ドッグなどを受けるのもそうですし、肥満社会といわれる昨今、体調には気をつけなければならないことだと思います。

来月までには筋電義手も完成していると思いますので、また改めて報告いたします。
沖縄県で筋電義手を作るなら是非、砂田義肢にお越しください。