トリトン スマートアンクル

義肢製造担当の平安です

最近は工場で義手や義足を製作するの事が多くなってきています。なので以前は在宅などの対応も出来ていましたが、なかなか出来ず仕舞いで患者様にはお待たせしてしまっている部分もあり、大変申し訳なく思っております。お待ちいただいているユーザー様、今年度中に必ず対応いたします。

今回、国内初となる足部をユーザー様へ納品いたしました。それが題にもありますようにOtto bock社のトリトンスマートアンクルというものです。
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この足部のデモ機を僕自身も約1ヶ月ほど試してみました。感想としては『歩いている時も、座っている時も少なからず義足である事を忘れさせてくれる』っていう感じでした。実際にこのトリトンスマートアンクルを納品したユーザー様も同様に『歩くのが楽になったし、座っている時の窮屈感が無くなった』とのお声をいただきました。

と、言いますのは、この足部の特徴は足の関節部分が油圧機構により前後17°動くんです!

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前額面                     矢状面

(コンピューターで使用者がどこを歩いているのかを判断するためにアライメントはOtto bock推奨のアライメントに設定する必要があります。)

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最大背屈角度                 最大底屈角度

足首の角度が変動する機能を生かし、尚且つコンピューターも内臓されているので、使用者が歩行している路面の傾斜に最適な足首の角度に調整してくれます。例えば、義足ユーザーが坂道を登っている時には、義足のつま先に重心を置いて登る事しか出来ません。通常、義足の足部の足関節が動くわけではないので、つま先のみで坂を登ることになります。そおなると、ソケットと呼ばれる切断肢を納める容器のちょうど膝の皿(パテラ)の部分にものすごい圧痛を感じます。ですが、このトリトンスマートアンクルだと、登り始めの1歩目で足部がどこに力のモーメントが来ているのかを判断し足首の角度を変えてくれます。2歩目からは踵からつま先にちゃんとに重心が載せられるようになるんです。逆も然りで、坂道などをくだる際だと通常は踵のみにしか体重をかける事が出来ませんが、やはり先ほどと同様で1歩目で足部に内蔵されているコンピューターが路面状況を感知をし2歩目から角度が変わって踵からつま先まで体重をかける事ができるんです。
この効果は階段の上り下りにも発揮します。我々が義足のユーザーさんに階段を降りる際の歩行指導としては、義足側で降りる時なるべく義足足部の踵(足部の長さの中心部から踵の範囲内)を階段の縁に乗せるようにと指導します。理由としては、義足の足部を恐いがために前に出さずに降りようとすると重心が前に持って行けずに、返って降りにくくなってしまうからです。この動作は慣れている人だと問題なく出来ますが、慣れていないと恐怖でしかありません。

ですが、トリトンスマートアンクルは足首の角度が変動しますので、階段を降りる際には先に述べたような事をせずとも階段を降りられます。これは自身でも体験しているのでわかります。階段を登る際もしっかりと膝を曲げて登る事ができるので本当に楽です。

さらに極め付けがリリーフ機能というもので、座っている時に義足に体重をかけずに最短2秒キープすると足首の関節が座る時に適した角度へ調整する事が出来ます。

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深く腰掛けた場合          足を伸ばして座った場合

この機能は下腿義足ユーザーにとって素晴らしい機能で、僕もそおなんですけど、通常は義足の足部は固定されているので、座っている時などは義足の足部を床に合わせるように座るとソケットが膝の裏側を圧迫してしまうのでキツくなっちゃいます。かといって、逆に足を伸ばして座ると足部の踵しか接地しないので義足のバランスが不安定な状態になりソケット内で変な圧痛が生じたりします。それに足を伸ばして座ると健側(切断しでない足)の足は床に接地しているのに義足側は踵だけしか付いていないというアンバランスな見た目にもなってしまうので、人目が気になる義足ユーザーにとっては悩みの種となっている部分もあります。
今年は、飛行機に乗る事が多かったので、まさしくこの機能があれば窮屈感を気にする事なく移動が出来たんじゃないかなって思っています。僕は右足が義足です。長距離の移動の際は大方、義足は外しちゃいますし、飛行機の座席もだいたい左サイドの通路側で指定します。でないと足が伸ばせないので長距離の移動が嫌になっちゃうからです。
義足のパーツも高機能になって来ていますが、やはりここで問題となってくるのが高機能だから高価なものになって来ます。この足部も約150万円もしますので、今現在は福祉での購入は出来ないと思っています。今回納品させていただ方は自費購入でしたが、義足全体の価格は約190万円でしたので、軽自動車を新車で購入するのと同じ金額くらい?になると思います。
今回のユーザーさんに限ってはそれでも今後の自分の生活のためにもスマートアンクルが必要だとの思いから購入に至ったので、ご本人も大変満足していました。

たまに、どんな意味なのか『砂田義肢は高いものばっかり提供している』って声も聞いたりしますが、高機能高価格のパーツを全ての方に提供したことはございません。我々もプロとして仕事をしています。いくら高機能なものでも、本当にそのパーツの機能を生かす事ができる人とそうでない人がいます。義足を製作する上でユーザーさんにはお話しておりますが、『義足に歩かされるのではなくて、自分で義足をコントールしてください』と。これが出来なければどんな高機能なパーツを使おうが機能を生かす事が出来ない歩きになってしまうので、僕自身、なんのために義足を作ったのかと考えてしまうんです。無理して高機能パーツに合わせてしか歩けないようでは高いお金を払う意味もありませんので。なので、弊社では必ずメーカーからデモ機をお借りし、ユーザーさんに試してもらい評価して提供出来るか出来ないかを判断した上で、製品を作っています。その為に常に新商品のなどの情報にアンテナを張り巡らせ、果たして使えるものなのかそうで無いのか、また、セミナーなどへ参加をして新しい技術なども取得し提供しております。全ては砂田義肢で義肢装具を必要とするユーザー様のQOL向上に繋がるようにと考えています。

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